日本の葬式は厳かな雰囲気で行われ、参列者は静かに故人の死を悼みます。
ところが世界を見てみると、個性的でびっくりするような葬式がいっぱい。
ここでは、えっ?と聞き返したくなるような面白い葬式を紹介していきます。
ガーナ|オーダーメイドの棺桶を担いで明るくステップ
ガーナの葬式では、棺桶を担ぐ男性たちが軽快なステップで踊ります。
参列者たちも歌ったり踊ったり、終始ノリノリ。
陽気に送り出すのは、人間は死後にまた新たな人生が始まると信じているから。
死は恐れるものや悲しむものではなく、新たな始まりなのです。
マサイ族|獣の餌となって自然に還る獣葬
大地にお墓を建ててはいけないという考えから、獣葬を行うマサイ族。
食べ残しは不吉なので、獣に食べ尽くされる工夫も忘れません。
獣葬には、故人の生命力を自然に還すという目的もあります。
アメリカ(ニューオーリンズ)|生からの解放を祝うジャズ葬
アメリカ・ニューオーリンズの葬式はジャズ葬。
ジャズバンドの後方を、遺族たちが棺を抱えて墓場に向かいます。
しめやかな雰囲気で埋葬した後は、ポップな音楽を流しながらパレードで凱旋。
有名な「聖者の行進」という曲は、このジャズ葬で演奏された曲なのです。
エジプト|死者が暮らす街
カイロの郊外にある死者の街。
霊をまつる建物が並び、その中にはリビングやキッチンなどの部屋があります。
まるで家のような建物を建てたのは、死後の世界を信じているから。
あの世で幸せに暮らせるように、豪華な家を用意するのです。
中国|とにかくド派手に「泣き女」も雇って葬送
「泣き女」とは、葬儀に参列し、思い切り泣くという職業の女性です。
故人とは直接面識がありません。
儒教の影響が強い中国では、故人を弔う者が多ければ多いほど良いのです。
「泣き女」を呼び、盛大に嘆き悲しむことで、故人への愛と敬意を表します。
チベット|身分によって異なる埋葬方式
複数の埋葬方式があるチベット。
身分によって、埋葬される方法が異なります。
葬式方法によって、故人の名誉の高さがわかるのです。
天葬・鳥葬
遺体を鳥に食べさせる天葬・鳥葬。
そのまま遺体を置いておくだけでは鳥は食べないので、専門の職人が遺体を解体し、鳥葬台に置く必要があります。
職人を呼ぶため、富裕層のみが行う高価な儀式です。
塔葬
塔葬は、最も名誉ある葬式方法。
ダライ・ラマなど高位の僧や、一部の貴族のための葬式です。
時間をかけて遺体をミイラにして、塔の中に納め、神仏として祀られます。
インド|ガンジス川に遺灰を流して自然と融合
インドでは、火葬後に遺骨をガンジス川に流します。
総人口の約8割がヒンドゥー教徒であるインド。
遺体を聖なる川に流すことで、故人の罪は洗い流され、悟りの境地に達すると信じられています。
インドネシア(バリ島)|自然に晒され遺体を風化させる風葬
バリ島のトルニャン村には、風葬文化があります。
屋外で遺体を骨になるまで腐敗させる風葬。
「魂がいなくなった体を大地に還す」という考え方によるものです。
世界でもごく一部でしか行われていない珍しい弔い方です。
ルーマニア|ブッラクジョークも書いちゃう陽気な墓標
ルーマニアの墓標はカラフルで大きく、ユニークです。
注目したいのはデザインだけでなく、墓標に刻まれた言葉。
役立たずだったとか、結婚に失敗したとか、びっくりする言葉が刻まれています。
墓標から故人の人生が垣間見れます。
ノルウェー|場所も時間も知らせず埋葬するミンネルンド
ミンネルンドは、無記名で埋葬する共同墓地。
遺族には、遺体の埋葬日も場所も伝えません。
全てを知らせないという埋葬方法。
これにより、遺族がお墓の管理などを心配しなくて済むのです。