エコ葬とは?SDGsな日本の取り組み&海外の最先端技術を紹介

エコ葬 とは

最近「エコ葬」が注目を集めています。

「エコ」と「葬儀」という組み合わせは、奇妙に感じますよね。

ですが内容を知れば知るほど「なるほど!」と思うはず。

今回は、エコ葬の概要や、日本・海外のエコ葬事情をわかりやすく紹介していきます。

エコ葬とは?火葬・土葬の環境問題の解決策?

エコ葬とは、地球に優しいクリーンな葬送スタイルのこと。

火葬や土葬に付随する環境問題を解決する可能性があることから、国内外で注目を集めています。

エコ葬=SDGsなクリーン葬

エコ葬にはさまざまな種類があり、中には想像を超えるユニークな手法を用いるものも存在します。

いずれの手法も、自然環境に配慮した葬送スタイルの確立を目的としており、それがエコ葬と呼ばれる所以です。

そういった点から、エコ葬は地球に優しいSDGsなクリーン葬と言い換えられるでしょう。

エコ葬が注目され出した理由を解説

エコ葬が注目された理由は、ズバリ環境問題。

土葬は、遺体の腐敗防止処理液に含まれるホルムアルデヒドによる土壌汚染が問題視されています。

火葬にすれば土壌汚染は解決するものの、実は火葬にも無視できない問題点があるのです。

その問題点とは、火葬を実施したときに排出される大量のCO2。

火葬によるCO2の排出量は年間数百万トンにものぼり、その影響の大きさがわかります。

火葬と比べてCO2の排出量を削減できるエコ葬は、火葬や土葬が抱える問題の解決策になりうると期待されています。

日本のエコ葬での取り組み

「日本ではどんなエコ葬があるの?」と気になってきた方もいらっしゃるでしょう。

というわけでここからは、日本でのエコ葬の取り組みを紹介していきます。

エコ棺(エコフィン)でCO2を削減

一般的な棺は、桐やヒノキ、モミの木などの合板製です。

合板製の棺は、森林資源を消費するだけでなく、火葬時にCO2を大量に排出してしまいます。

棺をエコフィンと呼ばれる段ボール製に変えるだけで、CO2などの排出量を約50パーセント削減可能です。

もちろん段ボール製も多少の木材を使用しますが、合板製に比べると2/3ほど。

森林資源の消費を抑えつつ、CO2などの排出量を低減できるのですから、エコ棺を使わない手はありませんよね。

エコ棺購入で植林活動に寄付

エコ棺のメリットは、火葬時のCO2削減だけではありません。

実はエコ棺には植林寄付がついていて、購入するだけで植林活動に寄付できます。

CO2を抑えながら、将来の森林環境にも貢献できるのは、ある意味究極のSDGsといえるのではないでしょうか。

ドライアイス不要の霊柩車

遺体保全に必要なドライアイスですが、使用するとCO2が発生してしまいます。

ドライアイスを保冷剤に変える、フリージングパッドを使用するなどの方法で、無理なくCO2をカットできます。

フリージングパッドとは、わずかな電力で冷却できる「ご遺体冷却装置」のこと。

車載可能なフリージングパッドを使えば、式場はもちろん霊柩車内でもドライアイスが不要になります。

花祭壇の持ち帰り

花祭壇の花を参列者に持ち帰ってもらうのも、エコ葬の一つの形です。

花を廃棄せずに持ち帰れば、故人を偲ぶ機会にもなりますよね。

気軽に取り組めるエコ葬としておすすめです。

最先端!海外のエコ葬事情

では、海外のエコ葬事情はどうなっているんでしょうか?

ここからは海外発・最先端のエコ葬を紹介します。

キノコ葬

キノコ葬は、ご遺体に「キノコの埋葬着」を被せて埋葬するもの。

埋葬着がキノコの菌で縫製されているため、埋葬後にキノコが発芽してご遺体を分解します。

フリーズドライ葬

フリーズドライ葬は、液体窒素を活用してご遺体をフリーズドライしたのち、振動を与えてパウダーにする方法です。

土の中で分解される容器にパウダーを入れて、埋葬します。

水火葬(リソメーション・アクアメーション)

水火葬は、アルカリ加水分解で、ご遺体を液体と骨などに分解する方法。

骨などは粉砕してご遺族に受け渡され、液体は肥料として畑に撒かれるか、廃水処理されます。

堆肥葬(リコンポジション)

堆肥葬は、ご遺体を微生物やバクテリアで分解して、土に還す方法です。

専用の棺にウッドチップを敷き詰めてご遺体を安置して、さらに自然に優しい素材で覆ってから埋葬します。

この方法だと、骨や歯までも分解されて余すことなく土に還るのだとか。

デンプンの棺「カプスラ・ムンディ」

デンプンの棺「カプスラ・ムンディ」とは、デンプン系素材のほか竹、籐などで作られた生分解性の棺です。

フォルムはころんとした卵型。

遺灰をおさめて埋葬後、その上に木を植えることで、故人が木の一部となり生き続けるというコンセプトがあります。

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