これを読んでいる皆さんは、深海葬をご存知でしょうか?
きっと聞いたことのない人も多いでしょう。
この記事では、深海葬とは何かについて、詳しくご紹介します。
深海葬とは
深海葬とは、自然葬の一種。
自然葬で代表的なのは、散骨や樹木葬ですが、深海葬は新たな埋葬方法として注目されています。
クリオールと呼ばれる骨壺に遺骨を納め、それを2,000mもの深さのある海底に沈めるのです。
駿河湾に眠り自然に還る
2023年11月9日、静岡県沼津市にて深海葬の事業が始まりました。
沼津市静浦港からクルーザーで出港し、駿河湾に遺骨が納められたクリオールを埋葬するのです。
海が綺麗であること、日本一の深さを誇ることが理由で、埋葬の地に駿河湾が選ばれました。
今後は沖縄にも展開する予定があるとのことです。
「深海埋葬証明書」で好きな時間にお墓参り
埋葬前にはクルーザー上でセレモニーを行い「深海埋葬証明書」を発行してもらえます。
「深海埋葬証明書」は埋葬した場所が特定できるもので、スマホやパソコンからも墓参りができるという画期的なものです。
また、故人のアバターと会話できるサービスについても開発中とのこと。
これにより、深海葬のサービスはより発展していくでしょう。
クリオネ型の骨壺「クリオール」
先述した通り、深海葬の際は「クリオール」を使用します。
ここでは、深海葬に適した作りとなっているクリオールの詳細をご紹介します。
材料は沖縄の泥岩「クチャ」
クリオールの材料は、沖縄の泥岩である「クチャ」。
琉球王朝時代、沖縄の女性たちは髪や顔の美容のためにクチャを塗っていたそうです。
最近の研究によると、クチャには地中海や死海の粘土と同様の性質があるとわかりました。
つまり、ミネラルを多く含んでおり、栄養的にも身体にいいということで注目されているのです。
約3年の月日をかけて開発
クチャを原材料とするクリオールは、約3年の月日をかけて開発されました。
その間、海底に沈める途中で破損したり、横に沈んでしまったりとさまざまな失敗を繰り返してようやく完成したのです。
深海葬セレモニーの流れ
最後に、深海葬セレモニーの流れをご紹介します。
これを読むことで深海葬のイメージがより鮮明になるでしょう。
参列受付・乗船
セレモニー当日に深海葬参列の受付を済ませ、クルーザーへ乗船します。
埋葬ポイントまでクルージング
クルーザーが出港し、埋葬ポイントまでクルージングします。
黙祷・埋葬
海に遺骨を埋葬し、黙祷します。
それから花を捧げ、再度黙祷します。
散骨場所を旋回・お別れの挨拶
散骨場所を3度旋回し、故人にお別れの挨拶を行います。
帰港・深海埋葬証明書の発行
港へ戻り、深海埋葬証明書を発行してもらいます。