キリスト教カトリック教会のローマ教皇庁(バチカン)は、4月21日午前7時35分(日本時間午後2時35分)にローマ教皇フランシスコの死去を発表。
享年88歳でした。
亡くなる前日、復活祭(イースター)のミサに参加するため、聖ペトロ広場を訪れてから24時間も経たないうちに旅立ったのもあり、世界中の信者が悲しみに包まれました。
ローマ教皇の死因は脳卒中と心不全の2つ
ローマ教皇庁の発表によると、ローマ教皇フランシスコの死因は脳卒中と心不全の2つでした。
ヴァチカン市国内にある「聖マルタの家」の居室で、その生涯に幕を閉じたとのことです。
ローマ教皇フランシスコは、同年2月に肺炎を患ったためイタリア・ローマのジェメッリ病院に入院していました。
3月には無事退院を発表し、亡くなる前日の復活祭(イースター)のミサにも参加していたため、今回のニュースを受けて人々は衝撃的でした。
21日の夜、サンピエトロ広場では大勢の人から追悼の祈りが捧げられ、パリのノートルダム大聖堂、ロンドンのウェストミンスター大聖堂などでも祈りを捧げました。
ローマ教皇の葬儀は簡易な埋葬を希望
ローマ教皇フランシスコは遺書にて、簡素な木製の棺で埋葬してほしいという旨を残されました。
ローマ教皇庁の発表では、ローマ教会のカメルレンゴであるケビン・ファレル枢機卿が遺体の納棺式を行いました。
棺は23日にサンピエトロ大聖堂へと移される予定で、信者や他の人々が別れを惜しむことができるようにするための対応です。
また教皇の遺書では、自らの遺体をサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に埋葬するよう書き残していました。
葬儀の日程は4月26日を予定しています。
葬儀には、アメリカのトランプ米大統領、イギリスのキア・スターマー首相とウェールズ公ウィリアム英皇太子、さらにカトリック人口が世界最大のブラジルからはルイス・イナシオ・「ルラ」・ダ・シルヴァ大統領が参列予定です。
新教皇を決定する選挙(コンクラーヴェ)は、死後15~20日の間に行われるため5月頃には行われます。
ローマ教皇サンフランシスコはどんな人物?
ローマ教皇サンフランシスコ(本名:ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)は、南米アルゼンチンに生まれ、サッカー好きで気さくな性格として知られています。
2013年3月13日にベネディクト16世の辞任後に行われたコンクラーヴェにて、266代目のローマ教皇として選ばれました。
ヨーロッパ以外の出身者として教皇になるのは約1280年ぶりであり、アメリカ大陸出身・イエズス会出身としては史上初です。
2019年11月、広島・長崎に来日し被爆者から当時の体験を聞き取り「核兵器を保有することは倫理に反する」とし核廃絶を訴えました。
その後は東日本大震災の被災者に面会し、犠牲となってしまった人々に黙とうを捧げました。
他にもアメリカとキューバの国交回復に尽力し、数々の功績と慈悲の心を残してきたのです。