スタジオジブリの名作「天空の城ラピュタ」は、公開から35年以上が経った今でも多くのファンを魅了し続けている作品です。
作品の随所に散りばめられた細かな設定や演出、そしてファンの間で語り継がれる様々な都市伝説は、物語の世界観をより豊かなものにしています。
本記事では、ラピュタにまつわる興味深い裏設定やトリビアを詳しく解説しますね。
ラピュタの都市伝説の概要
「天空の城ラピュタ」は1986年の公開以来、その壮大なストーリー作画で多くの人々を魅了してきました。
長年愛され続ける背景には、監督の細やかな世界観やキャラクターの複雑な設定が挙げられます。
作品に散りばめられた細部へのこだわりは、ファンの探究心を刺激し、新たな発見や解釈を生み出す源となっています。
ファン同士が裏設定や未公開情報を推測し合うことが、作品をさらに奥深く感じさせるきっかけになっているのです。
ラピュタの都市伝説・裏設定・トリビア9選
人気作品である「天空の城ラピュタ」にはたくさんの都市伝説があるのをご存知でしょうか。
ここではラピュタの都市伝説・裏設定・トリビアを紹介します。
シータの名前の由来
シータの名前は、宮崎駿監督の学生時代に制作した人形劇「サイン・コサイン・シータ」が由来。
ギリシャ文字であるθ(シータ)は数学や科学の分野で角度や関数を表す重要な記号です
その重要な性質は、物語の軸であるシータのキャラクター性と見事に重なり合いますね。
この逸話は、シータという名前に、より人間的な温かみと親しみやすさを与えているのではないでしょうか。
滅びの言葉「バルス」の意味
「天空の城ラピュタ」のクライマックスを飾る「バルス」のセリフは有名でしょう。
バルスはラピュタ語で「閉じろ」という意味で、トルコ語で「平和」という意味の「バルシュ(Barış)」が元となっています。
その一言に込められた強い思いは、単なる呪文以上の意味を持つ言葉として、観る者の心に深く刻まれることとなりました。
宮崎駿監督が大ファンであるSF漫画家・諸星大二郎さんの作品「マッドメン」にもバルスが登場し、そのまま引用したのではないかという説もあります。
「ラピュタ」の名前はガリヴァー旅行記が由来
空に浮かぶ島「ラピュタ」のモデルは、ジョナサン・スウィフトの小説『ガリヴァー旅行記』に出てくる「ラピュータ」という天空の島です。
宮崎駿監督が物語の構想を練っている時に、子供の頃に読んだ『ガリヴァー旅行記』に登場する「ラピュータ」の名前を使いました。
「飛行石」のモチーフ
ラピュタの物語の核心的アイテムである「飛行石」。
元々、飛行石は昭和20年代末の雑誌『少年少女冒険王』で連載された「砂漠の魔王」に登場するアイテムです。
宮崎駿監督はこの作品が好きだったため、作品に登場させました。
高度な科学力を持ったラピュタ人は、空気に触れると効力がなくなるこの石を結晶化できる技術を持っていたのです。
飛行石はただの魔法道具ではなく、監督の冒険心そのものなのでしょう。
劇中の町のモデルはイギリス:ウェールズ地方
劇中の町のモデルは宮崎駿監督が製作前に訪れたイギリスのウェールズ地方です。
パズーの小屋はウェールズ地方の「ブレナヴォン製鉄所」を基にしており、非常に似ています。
他にもパズーが働いていた炭坑や、シータが囚われた城などもここがモデルとなっています
主人公パズーとアニメ「ワンピース」のルフィの声優ネタ
主人公パズーとアニメ「ワンピース」のルフィはどちらも田中真弓さん演じています。
そのため、パズーが劇中で口にする「僕は海賊にならないよ」というセリフと、ルフィの「海賊王に俺はなる!」が比較され、多くのファンが面白がりました。
田中真弓さんの明るく力強い演技は、まっすぐな少年パズーと活発なルフィのどちらにもピッタリな声優さんですね。
ムスカ大佐のサングラス
ムスカ大佐は視力が低く、日光に弱いため常にサングラスをかけているという裏設定があります。
ムスカ大佐がアップで映るシーンがあり、目の虹彩が金色なのが確認できます。
これは紫外線から身を守る「メラニン色素」が薄いことを意味しており、ムスカ大佐が光に弱いことが分かります。
物語の終盤、バルスによって起こった強い光にムスカがひどく苦しむシーンのは、このためです。
ロボットは「ルパン三世」にも登場している
「天空の城ラピュタ」に登場するロボット兵は、アニメ「ルパン三世第2シリーズ最終回 さらば愛しきルパンよ」にも出てきています。
これは宮崎駿監督が、ルパン三世のロボット兵を「あのデザインをテレビで生かせなかったことが心残りだったから、使うことにした」という理由で登場させています。
また、宮崎駿監督はロボット兵を「死んでしまうロボット兵をかわいそうだと思ってほしい」とのこと。
確かに、シータやラピュタの為に戦うロボット兵の姿には、感じるものがありますよね。
小さな共通点が生み出すつながりを見つける楽しさは、ジブリファンにはたまらない醍醐味です。
「天空の城ラピュタ」のその後
パズーとシータは手紙のやりとりをしており、製作途中だった鳥型飛行機が完成したら必ず飛んでいくと約束しています。
また、手紙には追記があり「『正体不明の飛行船が、軍の給料をまんまと奪った』」という記事を見たパズーが「おばさんだね」とつづっています。
このことから、ドーラ一味が引き続き海賊をしていることがわかりますね。
ラピュタの都市伝説によって作品の深みが増している!
スタジオジブリの名作「天空の城ラピュタ」をめぐる数々の都市伝説は、作品の魅力をより一層深めています。
35年以上を経た今も新たな発見や解釈が生まれ続けているのは、作品に込められた普遍的なメッセージと豊かな表現力の証といえるでしょう。