日本には古くから伝わるさまざまな迷信が存在しています。
縁起を担いだもの・恋愛に特化したもの・ユニークなものまでと、種類も豊富。
この記事では、日本に伝わる多数の迷信をジャンル別に紹介します。
何気ない行動の中にも迷信が隠されているかもしれません。
ぜひ、知っている迷信がいくつあるか数えながら読んでみてくださいね。
日本の面白い迷信一覧

日本に伝わる迷信の中には「どうしてこのような迷信が生まれたんだろう…」と思うような、ユニークなものもたくさんあります。
こちらでは、思わず誰かに話したくなるような面白い迷信を厳選してご紹介します。
言い伝えられた目的や由来も謎に包まれていた迷信から、当時の背景を探りましょう。
食べてすぐ寝ると牛になる
「食べてすぐ寝ると牛になる」という迷信は、幼い頃に両親に言われたことがある人も多いでしょう。
食後すぐに寝る牛の習性が元になっている迷信で、親から子へ言い伝えられています。
食べた後にすぐ横になるのは行儀が悪く、消化吸収にも悪影響を及ぼす可能性があります。
子どもの行儀の悪さを指摘する定番として今でも使われる迷言です。
亭主関白は女子、かかあ天下は男子が生まれやすい
科学的根拠が全くないのにも関わらず、子どもの性別を予想する迷信として今でも知られています。
亭主関白とかかあ天下は、いずれも夫婦の力関係を表す言葉です。
父親が強い家庭は女児、母親が強い家庭は男児が生まれやすいと言われています。
子どもの誕生を待ちわびる夫婦にとって赤ちゃんの性別は、楽しみの一つ。
そのため、赤ちゃんの性別を予想するような迷信はたくさん存在しています。
ハチに刺されたら小便をかける
にわかには信じられない迷信ですが、一昔前までは本当に信じられていた迷信です。
どうして小便なのかというと、尿に含まれている成分・アンモニアが由来しています。
アンモニアがハチの毒を中和し痛みを和らげてくれることから生まれた迷信で、後に全く意味のないものであることが判明しました。
現代のように薬を簡単に手に入れられない時代だったからこそ、このような謎の民間療法が広まったのかもしれませんね。
朝蜘蛛は殺すな、夜蜘蛛は殺せ
古来の日本より朝蜘蛛は縁起のいい生き物とされており、殺してはいけないと言われています。
朝蜘蛛はこの世とあの世を繋ぐ天の使いであり、幸運を運んでくると考えられていました。
反対に夜蜘蛛は地獄の使いと言われ、忌み嫌われる存在となっています。
同じ蜘蛛でも見かける時間帯によって異なる意味をもつと考えられた、不思議な迷信です。
梅干の種を食べると罰が当たる
梅の種には天神さまが宿っているとされ、神を食べる行為が罰当たりであるという考えから生まれた迷信です。
太宰府天満宮の御祭神・菅原道真が梅を大変好んでいたことから、梅の種の中身の「仁」が「天神さま」と呼ばれるようになりました。
また、生梅の種には中毒成分が含まれていることから、このような迷信が生まれたとも言われています。
ため息をすると幸福が逃げる
落ち込んでいる時や疲れている時などに、無意識についてしまう「ため息」。
しかし、ため息は周りを不快にさせたり、心配させたりする場合が多いです。
そのため、昔の人は「ため息をすると幸福が逃げる」と言い、ため息を止めさせる迷信として広まりました。
燕が低く飛んだら雨になる
「燕が低く飛んだら雨になる」という迷信は非科学的に感じますが、実はしっかりとした根拠があるのです。
燕が餌としているミツバチ・アブ・蝶・蛾などの昆虫は湿度が上がると羽や体が重くなり高く飛べなくなります。
そのため燕が低く飛んでいる時は、餌となる昆虫が低気圧の影響で低く飛んでいることを意味し、雨が降る前兆だと言われているのです。
日本の怖い迷信一覧

古くから言い伝えられている迷信の中には、ゾッとするような怖い迷信もあります。
現代でも耳にすることのある有名なものから、私たちの生活にまつわる身近なものまで迷信や言い伝えは多岐にわたります。
こちらでは、日本の迷信の中でもゾッとするような怖い迷信を厳選して紹介します。
しゃっくりを100回したら死ぬ
しゃっくりがなかなか止まらない時に「100回止まらなければ死ぬよ」と言われたことはありませんか。
医療が未発達だった当時しゃっくりは原因不明の現象とされ、止まらないと死の危険もあると考えられていました。
現代においてはしゃっくり自体を病気と判断することはないですが、昔の人たちにとっては非常に怖い未知の症状だったのです。
洗濯を夜にしてはいけない
古来の日本で着物には故人の霊が宿るとされ、死者の着物は夜に干すという風習が存在していました。
そのため、洗濯を夜にするのは縁起が悪いとされ、避けるように言われています。
また、風水において夜は陰のエネルギーが強まるとされる時間帯。
夜に洗濯物を干すと衣類に陰のエネルギーが吸収され、縁起が悪いと言われています。
3人で写真を撮ると中心の人が早く死ぬ
「3人で写真を撮ると中心の人が早く死ぬ」という、怖い迷信ですが昔の人には信じられていました。
実はこの迷信は昔の写真機の移り方が由来と言われています。
当時の写真機は現代よりはるかに性能が低く、3人ならんで撮ると中心の人だけにピントが合い周りがボケてしまうのです。
昔は写真を撮ると魂が抜かれるという迷信がありました。
3人のうち真ん中の人がハッキリ映る分、魂も多く抜かれるとされ早死にするという迷信が広がったのです。
爪を夜に切ると親の死に目に会えない
夜に爪を切る行為「夜爪」は、寿命を縮めるという意味の「世詰め」と同じ読み方をすることから、早死にして親の死に目に会えなくなると言われています。
昔は照明機器が普及しておらず、夜は非常に真っ暗でした。
そんな暗闇の中、刃物で自身の爪を切る行為は大変危険であったため、避けるべき行為としてこのような迷信が広まったとも言われています。
落ちている櫛は拾ってはいけない
日本神話に登場するイザナギノミコトが櫛を用いて真実を暴いた、追ってから逃れたという逸話から、日本では櫛には神秘的な力が宿ると考えられています。
そのため、櫛を粗末に扱ったり・拾う・貸し借りするのは罰当たりだと考えられていたのです。
また、櫛は「苦死」にも通じているとされ、落ちている櫛を拾うのは「苦・死を拾う」行為に当たると言われています。
茶碗を叩くと餓鬼がくる
餓鬼とは、生前の悪行で飢えと喉の渇きに苦しむ餓鬼道に落とされた人のこと。
人間に取り憑き家中の食材を食べつくすとされており、餓鬼が取り憑かれた家庭には不幸が訪れると言われています。
「茶碗を叩くと寄ってくる」という迷信は子どもの食事の行儀を正すものとして広がりました。
夜に口笛を吹くと蛇が出る
「夜に口笛を吹くと蛇が出る」という迷信ですが、蛇は耳がないので実際には口笛を吹いても寄ってくることはありません。
一説によると「蛇」を音読みすると「じゃ」となることから、「邪」となる存在が集まるというものが本来の迷信だったと言われています。
また、泥棒や人さらいなどの犯罪者は仲間とのコンタクトに口笛の音を用いていました。
夜間に口笛を吹くと仲間の合図と勘違いした犯罪者たちが集まってくることから、このような迷信が広まったとも言われています。
日本の縁起が悪い迷信一覧

古くから言い伝えられている迷信の中には縁起にまつわるものも多いです。
こちらでは、日本に伝わる縁起が悪い迷信を集めました。
何気ない日常の中にも不吉や縁起が悪いとされる行動が潜んでいるかもしれません。
迷信の由来と合わせて解説しているので、参考にしてみてくださいね。
北枕で寝ると縁起が悪い
「北枕は縁起が悪い」という迷信は、日本全国各地に浸透している有名な迷信の1つ。
仏教では死者の頭を北に向けて寝かせることが由来となっています。
故人を北枕に寝かせているのは、本来成仏を祈る縁起がいいものです。
しかし、北枕=死者というイメージが先行してしまい、現代でも縁起が悪いものと浸透しています。
カラスが鳴くと誰かが死ぬ
カラスはその真っ黒な見た目と特徴的な鳴き声から不吉を知らせる生き物と言われています。
「カラスが鳴くと誰かが死ぬ」という不吉な迷信は、墓地でよく見かけることが由来。
カラスは非常に賢く、お墓にお供えものをする人間の習慣を理解しています。
お供え物を狙って人のいない夜間に餌場として墓地に集まることから、不気味なイメージをもたれたのかもしれませんね。
嫁の妊娠中に漁へ出ると不漁になる
漁師の間で古くから伝わる迷信に「嫁の妊娠中に漁へ出ると不漁になる」というものがあります。
昔は医療施設や医学も発達しておらず、妊娠・出産は今よりも命がけでした。
そんな、命の戦いをする妻を近くで支えてほしいという優しさから生まれたと言われています。
また、神道では血は穢れとされ、大量の出血を伴う出産を控えた嫁がいるのは縁起が悪いとされていたことが由来という説もあります。
4・9は縁起が悪い
日本の迷信には語呂合わせに由来するものが多いです。
4が「死」、9が「苦」をイメージさせることから、古くより縁起の悪い数字と言われています。
4・9のような縁起の悪い数字は「忌み数」と言われ、特に4は平安時代のころから避けられていました。
現代でも病室・ホテルの客室・受験番号などで「4」という数字を避けて表記しているところもあります。
日本の縁起が良い迷信一覧

古くから伝わる縁起が良い迷信は、現代でも信じられていることが多くあります。
身近な物や出来事に縁起を担ぐのは、万物には神様が宿るという日本の考え方が由来。
今でも身近な存在として縁起が良い迷信が数多く残っているのも、自分だけでなく周囲にも幸せになってほしいという思いが込められているのかもしれません。
こちらでは、日本の縁起が良い迷信を集めました。
初夢に「富士・鷹・茄子」が出ると縁起が良い
お正月シーズンになると必ずと言っていいほど話題にあがる「初夢」。
富士が「無事・不死」、鷹が「高」、茄子が「成す」といずれも、語呂合わせ的に縁起が良いアイテムです。
また、富士山は古くから神秘的な存在として崇められており、駒込富士神社もその一つ。
駒込富士神社の周辺にある鷹匠屋敷と駒込地域の名産である茄子を合わせて縁起物とされるようになったという説もあります。
蛇の抜け殻は金運が上がる
蛇は古くから「再生・豊穣・守護」の象徴とされる、神聖な生き物。
古くなった皮を脱ぎ捨てる特性から、蛇の抜け殻を財布に入れると新しい財の流れが巡ってくると考えられていました。
風水においても蛇柄の財布は金運アップの象徴とされており、人気な柄の1つです。
茶柱が立つと縁起が良い
茶柱とは、お茶を湯のみに注いだ際に茶葉の一部が底で垂直に立つ現象のこと。
緑茶を淹れた際によく見られる現象で、非常に稀な現象であることから縁起が良いという迷信が広まりました。
日本人にとってお茶は馴染みのある飲み物であり、文化や交流、おもてなしの一部として非常に重要な存在です。
そんな欠かせない存在のお茶に茶柱が立つのは、幸運な出来事だと考えられていました。
柊は災難を防ぐ
柊は冬の植物でクリスマスのリースなどにも用いられます。
ギザギザとした鋭いとげのある葉が特徴で、このとげには「鬼の目突き」という別名がつけられています。
そのため、柊のとげを嫌う鬼に対しての魔除け効果があるとされ、災難を防ぐという迷信が広がりました。
風水で鬼門に柊を飾ると良いとされているのも、邪気を跳ねのける効果があると信じられていたことが由来です。
日本の恋愛の迷信一覧

日本に伝わる迷信は、身近に潜む危険や行儀を戒めるものや、小さな幸せに気づくきっかけになるものが多いです。
また、恋愛にまつわる迷信も数多く存在し、古くから恋愛に悩む人たちが多かったことが分かりますよね。
こちらでは、日本の恋愛に関する迷信を紹介します。
2回くしゃみをすると想いが伝わる
くしゃみによって意味が変わるという迷信は、現代でも有名ですよね。
2回くしゃみをした際に、頭の中で好きな人の名前を2回唱えると、想いが通じやすくなると言われています。
好きな人との距離を縮めたい人は、ぜひ試してみてくださいね。
天気雨の日は両思いになる
晴れていたのに突然雨が降る「天気雨」。
実は、天気雨の日に好きな人と一緒だと両想いになれるという迷信があります。
突然の雨というアクシデントを一緒に乗り越えれば、距離もググっと近づくでしょう。
確率的にも低い天気雨の瞬間に立ち会わせること自体、運命の巡りあわせなのかもしれませんね。
ニキビの場所(想い・想われ・振り・振られ)
ニキビ自体はあまり喜べませんが、そんなニキビのできる場所によって恋模様を占うことができます。
「想い・想われ・振り・振られ」のパターンに分けられており、左からおでこ・あご・右頬・左頬の場所が該当します。
想いとは片思い、想われは誰かが好意を寄せている、振りは自分が誰かを振ること、振られは失恋という意味。
あごにニキビができた時は、あなたに好意を寄せている人が近くにいるかもしれません。
飛行機雲にお願いすると恋が実る
恋愛に悩んでいる人に知ってほしい迷信が「飛行機雲にお願いすると恋が実る」というもの。
飛行機雲を見つけたら、恋愛にまつわる願い事を3回心の中で唱えましょう。
好きな人がいる場合は、相手の名前を飛行機雲に向かって指で描いてもOKです。
飛行機雲が消える前にできたら、恋愛成就の確率がアップすると言われています。