日本人の死因のトップは「悪性新生物(がん)」、ついで「心疾患」、「老衰」、「脳血管疾患」「肺炎」と続きます。
つまり病死する確率がとても高いんですね。
病死にまつわるイメージに「痛み」はつきもの。
そこで今回は、痛みをはじめとした、それぞれの病気の症状について解説します。
最も痛い死ランキングTOP10
膵臓がん
膵臓がんは、膵臓にできる悪性腫瘍のこと。
膵臓がんの90パーセントが膵管にできることから、膵管がんであることが多いとされています。
膵臓の周辺にはさまざまな器官が集まっているため、神経も集中しています。
痛みをキャッチするのは神経ですから、当然神経がたくさん集まっている臓器やその周辺ががんに浸潤されると、強い痛みを感じてしまうでしょう。
つまり神経が集中しているがゆえに、膵臓がんは他のがんより、ひどい痛みがあるということ。
緩和ケアなどもありますが、そう聞くとやっぱり怖いですね。
腎不全
腎不全とは、腎臓病が進んで、腎臓の働きが著しく落ちた状態のこと。
症状は、尿量の減少や血尿、むくみなどですが、気づかない場合が多いようです。
腎臓は、腰が痛いときにトントンするあたりにあるので、背中や腰周りに痛みが出る場合も。
痛みが出る原因の一つとして、腎被膜という腎臓を覆う膜が引っ張られることが挙げられます。
腎臓は「沈黙の臓器」ともいわれますので、定期検診などでしっかりとチェックしてもらいしょう。
肺気腫
肺気腫は、肺や気管支で発生した炎症が継続することによって、最終的に肺胞が破壊されてしまう病気です。
耐え難い息苦しさが、特徴として挙げられます。
通常は肺胞が収縮することで呼吸できる仕組みになっているのですが、肺気腫になると肺胞に弾力がなくなり、うまく収縮できなくなってしまうのだとか。
そのため正常な呼吸ができず、耐え難い息苦しさに襲われるわけです。
また慢性的な咳やたんなどの症状があり、胸部の圧迫感や痛みなどが加わることも。
息苦しさは時に痛みを凌ぐともいうので、本当に怖いですよね。
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫とは、ざっくりいうと血液のがんのこと。
貧血や白血球が減少することによって、感染症にかかりやすいという特徴があります。
また骨に関連した痛みがあることでも、知られています。
多発性骨髄腫は、骨を破壊する細胞を活性化させるのだとか。
そうなると、骨を再生する細胞もうまく活動できなくなり、骨がもろくなってしまうわけです。
日常生活の動作で骨折する、脊椎が重力で圧迫されただけで圧迫骨折するなど、健康な人では考えられないほどに骨がもろくなってしまいます。
繰り返し骨折する痛みや慢性的な腰痛などと戦い続ける必要があるので、考えるだけで大変ですよね。
大動脈解離
大動脈解離は、大動脈の血管壁に亀裂ができて、そこから血液が流れ込む病気です。
新しく血流ができることによって、胸や背中に激痛が走るというのですから、本当に恐ろしいですよね。
大動脈解離には、前兆がなく突然発症するのだとか。
つまり強烈な痛みが起こると同時に発症し、しかも即命に関わるということ。
あまりの激烈な痛みに意識を失うこともあると聞くと、その強烈さがわかるような気がしませんか?
間質性肺炎
間質性肺炎は、肺が固くなることにより、膨らみにくくなる病気。
炎症による損傷と修復を繰り返すことで、発症するといわれています。
症状としては、絶え間ない息苦しさが挙げられます。
肺気腫のときにもお伝えしたように、息ができない苦しみは痛みよりもつらいと話す医師もいるほど。
間質性肺炎の苦しさをたとえると、水の中で溺れ続ける感じなのだとか。
終わることのない息苦しさは、私たちが想像するよりずっと恐ろしいことなのかもしれません。
心筋梗塞
心筋梗塞とは、心筋細胞が壊死することによって起こる病気です。
最も特徴的な症状として、胸が締めつけられるような痛みがあること。
その痛みは非常に強烈で、「えぐられるような痛み」と表現する人もいます。
胸部やみぞおち、心臓周辺などに、痛みが生じるといわれていますが、人によって異なるようです。
冷や汗、吐き気、息苦しさをともなう胸痛がある場合には、一刻も早くかかりつけ医に相談するのがおすすめ。
脳幹出血
脳幹出血とは、文字通り脳幹の出血によって起こる病気です。
脳幹は中脳、橋、延髄に分けられるのですが、脳幹出血はそのうちの橋で発生することが多いのだとか。
発症すると、頭痛や吐き気があるといいます。
症状は出血量によって違っており、ものが二重に見える眼球運動障害から、顔面・手足の麻痺、意識障害までさまざまあります。
「いつもの頭痛だから」などと思わず、不安があれば人間ドックなどでMRI検査をしてみるといいかもしれませんね。
肺がん
肺がんは、肺胞や気管支の細胞が、がん化することで起こる病気。
症状としては、咳やたんのほか、発熱、動悸、胸痛、呼吸困難などが挙げられます。
肺がんの症状は、他の病気でも起こる可能性があるものばかりなので、初期症状に気づきにくいのだとか。
症状が進むと、胸に異常な水がたまってしまう「がん性胸膜炎」を発症したり、肋骨や神経にがんが浸潤したりして、痛みを覚えることがあります。
とにかく異常を感じたら、一度医療機関を受診するといいでしょう。
腸閉塞
腸閉塞とは、食物、水分、ガス、消化分泌液などが腸管内で止められてしまうことによって起きる病気。
症状としては、けいれん性の腹痛や腹部膨満、食欲不振などがあります。
腸への血流が絶たれてしまう絞扼が起こると、痛みがひどくなるのだとか。
また腸捻転では、突然痛みが始まるのが特徴で、それが持続します。
いずれにせよ早期の治療が大切になりますので、少しでも変だなと感じたらすぐに病院にいくことをおすすめします。