日本には島国ならではの独特な文化と伝統が受け継がれており、その中には現代では考えられないような風習も存在します。
本記事では「日本の変わった風習」と題し、怖さや奇妙さが垣間見える慣習を見ていきましょう。
誘拐婚|嫁かつぎ・おっとい嫁じょ・ボオタ
「誘拐婚」として知られるこの風習は、女性を無理やり奪い結婚するというものです。
地方によっては「嫁かつぎ」や「おっとい嫁じょ」、大阪では「ボオタ」と呼ばれています。
鹿児島の一部では、女性が結婚を断った場合でも暴力的に強制する習慣があり、大きく問題視されていました。
夜這い
「夜這い」は、夜中に男性が女性の元を訪れる風習で、かつて日本各地で行われていました。
これは村全体が公認する行為で、とくに若者同士の結婚相手探しの一環とされていたのです。
拒否した場合に家が壊されるなどの報復もあったため、女性の意思が尊重されない側面もありました。
歩き巫女・精進落とし
宗教と売春が密接に絡み合って生まれた風習が「歩き巫女」です。
彼女たちは、神社を巡りながら信仰の象徴としての役割を果たしつつ、売春行為も行っていたのだとか。
寺社では「精進落とし」と呼ばれる儀式の一環として、僧侶が女性と交わる慣習があったとされています。
丑の刻参り
白い装束をまとい、頭に蝋燭を立てた女性が神社で藁人形に五寸釘を打ち込む「丑の刻参り」。
相手を呪い殺すための儀式とされ、午前1時から3時の丑の刻に7日間連続で儀式に成功すると、念願が叶うと考えられていたそう。
見られると呪いが無効になるという特徴から、人目を忍んで夜な夜な実行されていたのだとか。
村八分
「村八分」とは、村の規範を破った人々を制裁として孤立させる風習のことです。
村社会の掟が絶対的だった日本では、このような強制的な排除が、村の統制を維持する手段として機能していました。
積み石
三途の川のほとりには、親を遺して亡くなった子供たちが集まる「賽の河原(さいのかわら)」があると信じられてきました。
子供たちは現世で生きる親のために、あの世で石を積み続けるのだとか。
しかし、石を積みきる前に鬼に何度も崩されるため、亡くなった子供は苦行を永遠に繰り返すと信じられてきたのです。
積み石は、子どもたちの代わりに石を積んであげたいという、親の想いが体現された風習と言われています。
人形婚
青森県などで行われていた「人形婚」は、亡くなった子供の結婚を願い、親が人形と子供を結婚させる儀式です。
この風習には、せめてあの世では幸せに過ごしてほしいという親の悲痛な願いが込められていました。
おじろく・おばさ
長野県の特定地域で見られた「おじろく・おばさ」は、次男や三女以降の子供が無報酬で家族のために一生働くことを義務づけた風習です。
結婚の自由もなく、極めて低い社会的地位に置かれたこれらの人々は「厄介者」として扱われることもありました。
久部良割(クブラバリ)
沖縄県与那国島で行われたこの風習は、妊婦に岩の裂け目を飛び越えさせるというショッキングな内容です。
飛び越えることは不可能に近く、飛び越えられない場合、転落死や流産を招く危険な慣習でした。
この行為の背景には、人口調整を目的とした厳しい環境があったと言われています。
火起請(ひぎしょう)
「火起請」は、戦国時代から江戸時代にかけておこなわれた裁判の一種です。
熱した鉄棒を素手で運ばせることで、主張の正当性を証明させるものでした。
これは神明裁判の一環として行われ、肉体的苦痛を伴う過酷な風習だったとされています。
石合戦
戦国時代に、村同士の争いや若者の娯楽としておこなわれた「石合戦」。
石を投げ合う危険な風習で、ときには死者が出ることもあったそう。
この風習は幕府によって禁止されましたが、水利や土地を巡る争いの場では秘密裏に続けられていたと言われています。