故人の冥福を祈る葬式では、宗派にとらわれず自由なスタイルで見送る人が増えています。
家族や故人の要望に合わせて柔軟に対応してくれる葬儀社も増えており、故人が好きな音楽を流す音楽葬も喜ばれています。
しかし、中には葬式にふさわしくない曲もあるので、曲を選ぶ際は注意しましょう。
この記事では、葬式で流してはいけない曲を解説します。
葬式で流してはいけない曲はある?
葬式中に流す音楽には明確な決まりはないので、基本的にどんな曲でも流せます。
しかし、葬式とは故人を悼み冥福を祈る厳かな儀式であるため、曲調によっては避けたほうがいいものもあるのです。
こちらでは、葬式で流してはいけない曲の特徴について解説します。
ダンスミュージックやロックなどの賑やかな曲
ダンスミュージックやロックなどの賑やかな曲は、厳かな雰囲気には似つかわしくないので避けたほうがいいでしょう。
葬儀に参列している人の中には、静かに故人を見送りたいと考えている人もいます。
激しいビートやアップテンポな曲は雰囲気が明るくなりすぎるため、故人との別れに集中できなくなる可能性があります。
葬式で流す音楽は故人の想いを大切にするだけでなく、参列者の気持ちにも配慮するようにしましょう。
コミカルさやユーモアさのある曲
コミカルな楽曲やユーモアな歌詞やメロディの曲も、厳粛な葬式の雰囲気を壊す可能性があります。
思わず笑ってしまう明るいコミカルなものは、なるべく避けましょう。
ただし、ユーモアのある曲は葬式の暗い雰囲気を和らげてくれます。
厳かな雰囲気を壊さない程度であれば、葬式のコンセプトやタイミングによっては流すのもいいでしょう。
「生」を強調するような曲
生命の尊さや生きることの大切さなど「生」を強調するような曲も、葬式では避けたほうがいいでしょう。
葬式は「生」とは反対に位置する、死者を弔うための儀式。
故人との大切な時間を過ごす葬式で「生」を強調するのは、故人に対しても遺族に対しても失礼となります。
葬式で流してはいけない曲例一覧
- にんじゃりばんばん / きゃりーぱみゅぱみゅ
- ヘビーローテーション / AKB48
- 生きてることが辛いなら / 森山直太朗
- R.Y.U.S.E.I. / 三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
- Bling-Bang-Bang-Born / Creepy Nuts
- PPAP / ピコ太郎
- 世界に一つだけの花 / SMAP
- 生きていたんだよな / あいみょん
- Teenager Forever / King Gnu
- チャンピオン / アリス
いずれも多くの人に愛されている名曲ですが、葬式の場にはそぐわないでしょう。
アップテンポやメロディが激しい曲は厳かな雰囲気とは不釣り合いです。
また、ポジティブなメッセージが込められているものも、故人を悼むという点で相応しくありません。
葬式の曲を選ぶ際は故人の好みを尊重しながらも、厳かな雰囲気とマッチするものを選ぶようにしましょう。
葬式で流してもいい曲は?例を紹介
- アメイジング・グレイス / ジョン・ニュートン
- レクイエム / モーツァルト
- 川の流れのように / 美空ひばり
- 時代 / 中島みゆき
- 千の風になって / 秋川雅史
葬式で流してもいい曲は、上記で紹介したような穏やかな曲調のものがおすすめです。
いずれも葬式で流す定番曲なので、迷った際はこちらから選ぶのもいいでしょう。
自分たちで自由に曲を選ぶ際は、こちらで紹介するポイントを参考に故人や遺族が納得する曲を探してみてくださいね。
クラシックなどの伝統的音楽
クラシックなどの伝統的音楽は優雅さと気品があり、葬式の雰囲気にもぴったり。
穏やかで美しい音色は、遺族たちの悲しみに優しく寄り添ってくれます。
また、クラシックには歌詞のないものが多いので、葬式の進行を妨げません。
年齢や性別に関係なく受け入れやすいので、参列者が多い場合やさまざまな世代が参列されるような葬式でも安心です。
落ち着いてしんみりできるような曲
故人の好みに合わせて曲を選ぶ際は、落ち着いてしんみりできるような曲を選びましょう。
式中は故人との別れを悲しんだり、故人と過ごした日々を思い出したりとさまざまな感情が入り混じっています。
葬式の曲は、遺族や参列者の想いの妨げにならないような、落ち着いた雰囲気の曲を選ぶようにしましょう。
しんみりできるような落ち着きのある曲は、参列者の心に寄り添ってくれるはずです。
葬式で流してはいけない曲を故人が好きだった場合の対処法
葬式では、賑やかな曲や激しい曲は相応しいとは言い難いです。
しかし、故人のお願いであったり、思い入れ深い曲だったりなど不適切だとしても葬式で流したい曲もあるでしょう。
こちらでは、葬式で流してはいけない曲を故人が好きだった場合の対処法を紹介します。
お別れの会などの少し砕けた場で流す
故人の好きな曲を聞きながら別れの挨拶をしたい時は、葬儀以外の場で流してみてはいかがでしょうか。
厳粛な葬式では流せない曲であっても、少し砕けた場なら故人の趣味や好みに合わせて自由に選曲できます。
葬式とは違い自由に会話もできるので、故人の好きな曲を聴きながら生前の思い出話に花を咲かせてみてはいかがでしょうか。
オルゴールなどにアレンジされた曲を流す
故人の好きな曲をどうしても葬式で流したい場合は、オルゴールやストリングス、ピアノ演奏などにアレンジするのも手です。
原曲のままだと激しすぎて相応しくない曲でも、アレンジを加えることで葬式に相応しい雰囲気にできる場合があります。
曲調によってはアレンジが難しい場合もありますが、一度探してみるのもアリですよ。
曲を抜粋して使用する
曲全体を流すのではなく、一部分を抜粋して流すという方法もあります。
イントロやサビの部分だけであれば、葬式の厳かな雰囲気を崩さず、故人の想いに寄り添えますよ。