一度は耳にしたことがある「恐怖症」。
「高所恐怖症」「対人恐怖症」というよく聞くものから、珍しいものまで、すべて合わせると500種類以上あります。
この記事では、珍しい15個のレアな恐怖症を紹介します。
珍しい恐怖症の種類丨レア度★
歩行恐怖症

歩行恐怖症は歩くことに恐怖を覚える恐怖症で、特に高齢者に多く発症します。
過去に転倒したり、転んだ人を目撃したりすると、歩行への不安や恐怖が大きくなるのです。
砂利道やデコボコした道は避け、自宅にこもる人も少なくありません。
発症すると活動範囲が狭まり、日常生活に大きな影響を及ぼします。
恐怖症は多くの種類がありますが、そのなかでも歩行恐怖症は深刻だといえるでしょう。
巨大物恐怖症

巨大物恐怖症とは、自分よりも遥かに大きい建造物やオブジェなどを見ると、恐怖感や威圧感を抱く症状です。
高層ビルや大きな銅像を見ると不安になり、パニックを起こす人も少なくありません。
状況によっては、その場から立ち去りたくなり、逃げたい衝動に駆られます。
重症な人は、旅行先や日常生活でも支障をきたすでしょう。
睡眠恐怖症

眠ることに強く恐怖を感じる症状を「睡眠恐怖症」といいます。
睡眠恐怖症は「寝ている間に何か起きたらどうしよう」という不安にかられたり、睡眠自体に抵抗を感じたりと、日常に支障をきたす人も多いでしょう。
恐怖心が大きいため、寝ることを避け、人よりも活動量が多い人も。
必然的に睡眠時間が短くなり、疲労が溜まりやすいだけではなく、集中力や免疫力の低下にも繋がります。
これらの症状によって日中のパフォーマンスが落ち、仕事や昼間の活動に影響を及ぼすでしょう。
広場恐怖症

広場恐怖症は、ギリシャ語の「agora 」に由来しており、以前は「広い場所に恐怖を感じる」という意味で使われていました。
しかし、現在では「逃げられない」「助けを得られない」という状況に、不安や恐怖を感じるのが特徴の恐怖症とされています。
広場恐怖症は61%が遺伝といわれ、幼い頃に強く感じたストレスが影響している可能性も。
カフェインやアルコールを摂取すると、症状が悪化する場合があります。
無音恐怖症

無音恐怖症とは、静かな場所にいると不安を感じる症状を指します。
静寂な環境に恐怖感を抱き、パニック発作を引き起こします。
発症率は1〜2%とされ、特に多いのが女性です。
なかでも、20歳前後の人が発症しやすいといわれていますが、高齢者や小児にも症状が出ることがあります。
無音恐怖症は、他の精神疾患と併存することも珍しくありません。
併存すると治療が難しくなる可能性があるため、症状と上手に付き合うことが大切です。
珍しい恐怖症の種類丨レア度★★
美人恐怖症

美しい女性に対して、恐怖心を抱く「美人恐怖症」。
接点がなくても、美人が同じ空間にいるだけで発症し、強い不安感に襲われます。
異性愛者に多い美人恐怖症ですが、同性愛者や子どもに発症することも。
対人関係に支障をきたすため、適切な治療を受けることが重要です。
決断恐怖症

決断恐怖症とは、選択を迫られたり、決断したりすることに対して恐怖を感じることを指します。
小さなことであっても「自分が下した判断が間違っていたらどうしよう…」という気持ちが高まり、不安が大きくなるのです。
決断恐怖症の人は、できるだけ選択する状況を避けたいと考えています。
外食時にメニューを選ぶのが苦手で、極度の緊張や心拍数の上昇、発汗などの症状が出る人もいるのだとか。
これらの症状が積み重なると、日常生活に支障をきたし、すべての判断を第三者に委ねることが多くなります。
ピーナッツバター恐怖症

ピーナッツバターが口内にくっつく感覚に不快感や恐怖心を抱く「ピーナッツバター恐怖症」。
特に、上顎にピーナッツバターがくっつくのが苦手だという人が多く、日本よりもパン食が多い海外で発症する傾向があります。
ピーナッツバターの粘着力やベタベタ感が苦手で「粘度で口が開かなくなったらどうしよう…」という恐怖に襲われ、見るだけで嫌悪感を抱く人もいるでしょう。
雑音恐怖症

雑音に不安や嫌悪感を覚える症状で、心拍数の増加やパニック発作などが起こります。
日常生活での音に不快感を抱くことが多く、咀嚼音や時計の秒針、遠くから聞こえるサイレンなど、人によって不快に感じる音は異なります。
雑音恐怖症が発症する原因はさまざまですが、過去に体験したストレスや遺伝などが考えられるのだとか。
普通に生活しているだけでも、雑音は必ず聞こえてくるため、日常生活で不快に感じる場面が多く、ストレスを受けやすい症状だといえます。
失笑恐怖症

不適切なシチュエーションで笑いがこみ上げる「失笑恐怖症」。
会議中や朝礼、葬儀など、真面目な場面で笑ってしまうことに対し、強い恐怖を感じている状態です。
自分でも笑ってはいけないことを自覚しているため、必死に感情を抑えようとします。
しかし、笑いの衝動を抑えられず、感情が爆発してしまうのです。
こらえきれず笑ってしまうことで恥ずかしさを覚えたり、ひんしゅくを買ったりすることもあるでしょう。
失笑恐怖症は、感情のコントロールが難しく、日常に影響が出ることも多いのです。
珍しい恐怖症の種類丨レア度★★★
ボタン恐怖症

恐怖症の種類は多くありますが、なかでも珍しいのが「ボタン恐怖症」。
ボタンに異常な恐怖感を抱く症状で、衣類に付いていたり、テーブルに置いてあったりするだけでボタンに嫌悪感を抱きます。
もちろん、これらの症状が出る人は、ボタンが付いた服や小物は選べません。
見た目だけではなく、触れた時の小さな音や触感がトリガーになることもあります。
恐怖症の程度は個人差がありますが、重度のボタン恐怖症の人は日常生活にも支障をきたします。
片栗粉恐怖症

恐怖症のなかでも珍しい「片栗粉恐怖症」。
片栗粉の触感や音に嫌悪感を抱き「生理的に受け付けない」という人も少なくありません。
素手で触るのはもってのほかで、水に溶かして使う時も強い不快感を抱きます。
料理でとろみを出したい時は、片栗粉以外のもので代用し、できるだけ使わないようにするのだとか。
片栗粉ならではの独特な感触や「キュッ」という音が、強い不安や不快感の原因となっているのでしょう。
長い単語恐怖症

長い単語恐怖症は、ギリシャ語や英語などの長い言葉に強い不安や恐怖を抱く症状。
数ある種類のなかでも珍しい、レア度の高い長い単語恐怖症は、学生時代の苦労が引き金になっている可能性があります。
試験勉強の時に、なかなか覚えられなかったり、発音がうまくいかずに茶化されたりする人もいたでしょう。
こうした経験が心理的障害として残り、長い単語恐怖症を引き起こしているのだとか。
過去の苦い思い出や記憶はトラウマになりやすく、現在の日常生活にも影響を及ぼしているのです。
ポエム恐怖症

ポエム恐怖症は、詩やポエムに恐怖感を抱く珍しい症状が特徴で、別名「詩恐怖症」ともいいます。
詩を朗読したら周囲に笑われた、詩の内容が理解できないなどの経験がポエム恐怖症を引き起こし、息切れや発汗などの症状が出ることも。
恐怖症の種類のなかでも珍しいので、認知度が低く、周囲には単に「緊張しているのかな」と捉えることも少なくありません。
理解を得られにくいため、ストレス過多に繋がることも珍しくないのです。
吉報恐怖症

誰もが喜ぶ嬉しいニュース。
しかし、吉報恐怖症の人にとって良いニュースは、不安や恐怖でしかありません。
良い知らせを聞いても「良いことが起こるはずない」「自分には幸せは訪れない」などと不安になり、悲観的に捉えるのです。
過去のトラウマや自己肯定感の低さが引き金となり、動機や発汗などの症状が出ます。
症状を抑えるためには、現実で起こっている出来事を冷静に受け止めることが重要です。