通称「ブルーピープル」とも呼ばれるファゲイト一族。
なぜそのような名称で呼ばれているのでしょうか?
この記事では、ファゲイト一族について解説します。
ファゲイト一族とは
ファゲイト一族とは、アメリカのケンタッキー州に暮らしていた一族です。
最も際立つ特徴として、ファゲイト一族は全員皮膚が青かったことが挙げられます。
1世紀以上もの間、その非常に珍しい遺伝子を受け継いでいたのです。
ブルーピープル|肌が青い理由
続いて、ファゲイト一族の肌が青い理由をご紹介します。
彼らの肌が青かったのにはいくつかの理由があったのです。
メトヘモグロビン血症
肌が青い理由の1つとして、メトヘモグロビン血症が挙げられます。
メトヘモグロビン血症は非常に珍しい遺伝性の血液疾患で、潜性遺伝子が受け継がれることで青い肌が発現します。
青い肌は偶然の出会いから始まった
メトヘモグロビン血症が発症することは滅多にありませんが、ファゲイト一族に関しては偶然の出会いが重なったことで発症に至ります。
それは一族の長となるマーティン・ファゲイトが、妻となるエリザベス・スミスと出会ったこと。
偶然にも2人とも、潜性遺伝子を保持していたのです。
繰り返された近親婚
ファゲイト一族は近親婚を繰り返し、子孫を増やしていきます。
近親婚のため、もちろん潜性遺伝子も子孫に引き継がれていったのです。
ファゲイト一族のその後
最後に、ファゲイト一族がどうなったかについてご紹介します。
彼らはどのような道を辿ったのでしょうか。
メトヘモグロビン血症は治る病気に
メトヘモグロビン血症は珍しい疾患ですが、ケンタッキー大学の血液学者であるマディソン・カウェイン3世が治療法を確立します。
メチレンブルーの投与による治療法が見つかり、メトヘモグロビン血症は治る病気となったのです。
ファゲイト一族の末裔は行方不明に
青い肌を不気味がられたことで、周囲とはほぼ接触していなかったファゲイト一族。
しかし、次第に彼らは外部の人と接触するようになり、青い肌の人物も減っていきます。
一族の末裔となったのが、ベンジャミン・ステイシー。
彼もまた紫がかった肌を持っていましたが、最終的には行方不明となってしまいました。
近親者の減少とともに青い皮膚も減っていった
先述した通り、ファゲイト一族は次第に外の世界に進出して暮らすようになり、近親婚を繰り返すことが減っていきます。
それにより潜性遺伝子が受け継がれることも減り、青い肌を持つ人物の数も減っていったのです。